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講演詳細

分類 一般演題
年度 2018
講演日時 2018年5月12日(土) 09:00-10:00
会場名 H
発表番号 2H-05a
セッション名 A:その他(1)
タイトル アナツバメ(海燕、Collocaliini)由来シアロオリゴ糖(SAO)の機能性
Functionality of the sialo-oligosaccharide (SAO) derived from a collocalia swift
著者 ○谷  久典1、服部 隆史1、荒生 春霞2、田中 みえ2、渡久山 理恵2
○Tani Hisanori1, Hattori Takashi1, Arao Haruka2, Tanaka Mie2, Tokuyama rie2
所属 1ハイドロックス(株)、2(株)雅嘉貿易、
要旨 【目的】アナツバメの巣にはシアル酸の含有量が高い事が知られている。近年シアル酸はIGF-1を誘導産生する事で全身の機能性の恒常性維持に関与している事が明らかにされた。また、抗ウイルス活性を有するシアロペプチドの探索で、シアル酸含量と抗ウイルス活性がリンクしておらず、シアル酸の結合部位を中心とした糖鎖構造が有用であるとしている。そこで、アナツバメの巣由来シアル酸を含む機能性関与成分もその構造が重要であろうと考え、製造方法を検討すると共に得られたシアル酸についての機能性に付いても検討を行った。
【方法】アナツバメの巣に希アルカリ水溶液を加え抽出後、遠心分離、濾過により清澄化した後、凍結乾燥にてシアロオリゴ糖を得、SAOとした。このSAOを正常ヒト繊維芽細胞に加え各種成長因子の産生誘導能を測定した。また、細胞外基底膜を構成しているコラーゲンの産生誘導能も測定した。
【結果と考察】ツバメの巣をアルカリ条件下で抽出する事でSAOが抽出されることが明らかとなった。このSAOの分子量は1.7k〜2.3kDaで、シアル酸/ヘキソースの質量比が0.5〜0.9の画分に最も高い活性が認められた。SAOを細胞に添加した時、シアル酸に認められている細胞増殖能が濃度依存的に認められた。また、SAOを添加した細胞による各種成長因子の産生誘導能を測定した所、PDGFを除くIGF-1、FGF-β、EGF、及びHGFの産生も増加させていた。その増加率は50%以上であった。ECM構成成分のコラーゲン量の測定では無添加に対してSAOを添加することで約20倍以上の1型コラーゲン産生誘導能を示した。これらの結果からツバメの巣由来SAOは各種成長因子を産生させECMの崩壊を防ぐことで生体の機能の恒常性を維持することが示唆された。この現象が所謂加齢性疾患のトリガーであろうとの推測の元、IGF-1の減少抑制を可能にする食品の第1の候補がアナツバメの巣由来SAOであると考える。
キーワード1 アナツバメ
キーワード2
キーワード3 シアロオリゴ糖