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講演詳細

分類 一般演題
年度 2018
講演日時 2018年5月13日(日) 13:40-14:55
会場名 P
発表番号 3P-01p
セッション名 C:アレルギー(2)
タイトル フェンネル精油とその主成分であるトランス-アネトールの抗アレルギー作用の検討
Inhibitory effects of fennel essential oil and its major component, trans-anethole, on the degranulation and cytokine production of mast cells
著者 ○小林 優子1、佐藤 晴美1、中山 博登2、宮里 博成2、杉本 圭一郎2、実宝 智子1
○Kobayashi Yuko1, Sato Harumi1, Nakayama Hiroto2, Miyazato Hironari2, Sugimoto Keiichiro2, Jippo Tomoko1
所属 1千里金蘭大・食物栄養、2長岡香料・技開研
要旨 【目的】近年、日本ではアトピー性皮膚炎、花粉症などの即時型アレルギー疾患が増加している。即時型アレルギー反応は、マスト細胞が脱顆粒して、顆粒に含まれる生理活性物質が体内に放出されることにより起こる。さらに、脱顆粒が引き金となって産生される腫瘍壊死因子(TNF)-αなどの炎症性サイトカインにより、炎症反応が促進される。これらのことから、マスト細胞の脱顆粒を抑制する物質は、抗アレルギー効果を持つことが期待される。そこで私たちは、植物から抽出される揮発性成分である精油を対象として、マスト細胞の脱顆粒反応ならびにサイトカイン産生に与える影響について検討した。
【方法と結果】マウス由来培養マスト細胞(CMC)に、免疫グロブリン(Ig)E受容体架橋刺激による脱顆粒反応を誘導し、顆粒から放出されるβ−ヘキソサミニダーゼの遊離量を測定して脱顆粒率を求めた。脱顆粒を誘導する際に、あらかじめ精油を添加してその効果を検討した結果、フェンネル(Foeniculum vulgare)精油(FEO)が、濃度依存的に脱顆粒を抑制することが分かった。脱顆粒抑制活性を示す濃度のFEOは、CMCの細胞増殖や生存に影響を与えなかった。次に、FEOの有効成分を特定するため、FEOの成分分析を行った。FEO中に最も含有量の多かったトランス-アネトールの脱顆粒抑制効果を検討したところ、FEOと同程度の活性を示し、CMCの細胞増殖や生存に影響を与えないことが分かった。また、IgE刺激によってCMCが産生するTNF-αの量をELISA法により検討した結果、トランス-アネトールの添加によりTNF-αの産生量が有意に減少した。
【結論】マスト細胞の脱顆粒抑制効果を有する物質を検索したところ、FEOおよびその主成分であるトランス-アネトールが見出された。FEOおよびトランス-アネトールは、抗アレルギー作用を持つ物質として期待される。
キーワード1 マスト細胞
キーワード2 精油
キーワード3 抗アレルギー