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講演詳細

分類 一般演題
年度 2019
講演日時 2019年5月19日(日) 14:55〜16:10
会場名 F会場(経営情報学部棟 4213教室)
発表番号 3F‐09p
セッション名 C-8アレルギー(2)
タイトル 抗アレルギー効果を持つ精油の探索と有効成分の検討
Anti-allergic effects of essential oils and their components.
著者 ○小林 優子1、佐藤 晴美1、藤田 有紀1、中山 博登2、宮里 博成2、杉本 圭一郎2、実宝 智子1
○Kobayashi Yuko1, Sato Harumi1, Fujita Yuki1, Nakayama Hiroto2, Miyazato Hironari2, Sugimoto Keiichiro2, Jippo Tomoko1
所属 1千里金蘭大・食物栄養、2長岡香料・技開研
要旨 【目的】近年、日本では花粉症、アトピー性皮膚炎などの即時型アレルギー疾患が増加している。即時型アレルギー反応は、マスト細胞が脱顆粒して、顆粒に含まれる生理活性物質が体内に放出されることにより起こる。さらに、脱顆粒が引き金となって産生されるTNF-αなどの炎症性サイトカインにより、炎症反応が促進される。これらのことから、マスト細胞の脱顆粒を抑制する物質は、抗アレルギー効果を持つことが期待される。そこで私たちは、精油を対象として、マスト細胞の脱顆粒反応ならびにサイトカイン産生に与える影響について検討した。
【方法と結果】マウス由来培養マスト細胞(CMC)に、IgE受容体架橋刺激による脱顆粒反応を誘導し、顆粒から放出されるβ−ヘキソサミニダーゼの遊離量を測定して脱顆粒率を求めた。脱顆粒を誘導する際に、あらかじめ精油を添加してその効果を検討した結果、ゼラニウム精油(GEO)およびフェンネル精油(FEO)が、脱顆粒抑制活性を持つことが分かった。それぞれの精油の成分分析を行い、有効成分を検討したところ、GEOではシトロネロールが、FEOではトランス-アネトールが、精油と同程度の脱顆粒抑制活性を示した。また、IgE刺激によってCMCが産生するTNF-αの量をELISA法により検討した結果、シトロネロールあるいはトランス-アネトールの添加により、TNF-αの産生量が有意に減少した。TNF-αの産生にはMAPキナーゼの活性化が必要である。MAPキナーゼのリン酸化に対するシトロネロールの影響を調べたところ、シトロネロールはERKのリン酸化を抑制することが分かった。
【結論】マスト細胞の脱顆粒抑制効果を有する精油を検索したところ、GEOおよびその主成分であるシトロネロール、FEOおよびその主成分であるトランス-アネトールが見出された。これらの物質は、抗アレルギー作用を持つものとして期待される。
キーワード1 マスト細胞
キーワード2 精油
キーワード3 抗アレルギー