検索ホーム » 検索結果一覧 » 講演詳細

講演詳細

分類 一般演題
年度 2019
講演日時 2019年5月18日(土) 14:55〜16:20
会場名 N会場(一般教育棟 2107教室)
発表番号 2N‐07p
セッション名 E-1食品機能・バイオファクター(6)
タイトル Oleamideは行動範囲制限マウスの骨格筋におけるmTOR経路を活性化する
Oleamide activates mTOR signaling in skeletal muscle of mice housed in small cage
著者 ○小林 恭之1、北風 智也2、杉本 圭一郎3、原田 直樹1、乾 博4、山地 亮一1
○Kobayashi Yasuyuki1, Kitakaze Tomoya2, Sugimoto Keiichiro3, Harada Naoki1, Inui Hiroshi4, Yamaji Ryoichi1
所属 1大阪府大院・生命環境、2神戸大院・科技イノベ、3長岡香料、4大阪府大・栄養、
要旨 【目的】 骨格筋は歩行などの物理的な機能や糖代謝などの生理的な機能を担う重要な組織である。デスクワークを主とする座りがちな生活は運動不足を引き起こし、骨格筋量を低下させることが危惧される。脂肪酸のカルボキシ基がアミド基に変換された構造である脂肪酸アミドは生体内で合成され、脂質メディエーターとして鎮痛作用や抗炎症作用を発揮する。しかし脂肪酸アミドが骨格筋量に及ぼす影響は不明である。本研究では最もよく研究されている第一級脂肪酸アミド(PFAM)であるoleamideを中心にPFAMが骨格筋量に及ぼす影響を評価した。
【方法、結果】 マウス由来筋芽細胞株C2C12細胞をPFAM存在下で分化させると、stearamideとoleamideはミオシン重鎖の発現レベルを上昇させ、筋芽細胞の融合の指標(fusion index)と分化の指標(differentiation index)を増加させた。筋肥大に及ぼすPFAMの影響を検討するために筋肥大の指標であるmyotube diameterを算出すると、stearamideとoleamideはともに筋肥大を促進させた。またC12からC18のPFAMはタンパク質合成を促進した。タンパク質合成の主要な経路であるmTOR経路に及ぼすPFAMの影響を評価すると、stearamideとoleamideはmTORの下流のp70S6Kのリン酸化レベルを増加させた。またoleamideの骨格筋へ及ぼす影響についてデスクワークモデルとして行動範囲を制限したマウス(通常の飼育面積の1/6で飼育)で評価した。コントロールマウス(通常の飼育面積で飼育)に比べて行動範囲制限マウスは、下肢の前脛骨筋の筋量の減少と握力の低下がみられたが、行動範囲制限マウスにoleamideを経口投与すると前脛骨筋の筋量と筋断面積が上昇した。さらに行動範囲制限が及ぼす握力の低下も緩和された。以上より、stearamideとoleamideはin vitroにおいて筋分化、筋肥大を促進し、oleamideはin vivoで行動範囲制限がもたらす骨格筋の量的・質的(筋力)な低下を抑制した。
キーワード1 oleamide
キーワード2 skeletal muscle
キーワード3 mTOR signaling