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講演詳細

分類 一般演題
年度 2020
講演日時 2020年5月17日(日) 9:00〜10:48
会場名 C会場(B200)
発表番号 3C-04a
セッション名 食品機能(10)
タイトル 児童の腸内環境および便通に対するパイナップル長期摂取による改善効果
Improvement effect of long-term pineapple intake on gut microbiota and bowl movements among children in elementary schools
著者 ○林 美智子1、増田 隆昌1、石川 大仁1、瀧本 陽介1、積 志保子2、堀田 拓哉3、大滝 尋美3、荒木 雄介3、渡辺 陽介3、伊藤 明子4
○Hayashi Michiko1, Masuda Takamasa1, Ishikawa Hirohito1, Takimoto Yosuke1, Seki Shihoko2, Hotta Takuya3, Otaki Hiromi3, Araki Yusuke3, Watanabe Yosuke3, Ito Michiko4
所属 1株式会社ヘルスケアシステムズ、2ソロス株式会社、3株式会社ドール、4赤坂ファミリークリニック
要旨 【背景・目的】『小学生の排便と生活習慣に関する調査2017年6月』によると、本邦の小学生3人に1人は便秘状態・便秘予備軍であり、児童の便秘解消は早急に取り組むべき社会的課題である。成人女性を対象とした我々の研究では、4週間のパイナップル継続摂取により、腸内環境と便通の改善が報告されている。本研究では、児童を対象に、パイナップル長期間摂取による、腸内環境変化や便通の改善効果について評価を行った。
【方法】排便回数が2〜4回/週の小学生 (6〜12歳)34名を対象に並行群間比較試験を実施した。摂取群18名のみ一日100 gのパイナップルを4週間摂取した。摂取前後で、次世代シーケンサーを用いた腸内細菌叢解析、排便状況の調査、体調に関するアンケートを行い、パイナップル摂取群と非摂取群での比較を行った。
【結果】パイナップル摂取群18名、非摂取群16名にて解析を実施した。次世代シーケンサーを用いた腸内細菌叢解析の結果、摂取群において、痩身に関わる腸内細菌として注目されているBacteroides属菌が有意に増加し、胃腸肝疾患の病原菌と報告されているEggerthella属菌が有意に減少していることが明らかとなった。また、善玉菌と考えられるLachnospira属菌の季節性の減少が摂取群において抑えられていた。排便状況に関するアンケートでは、非摂取群と比べて摂取群において、「量」、「日数/週」が摂取後に有意に増加した。体調などに関する自覚アンケートでは、非摂取群に比べて摂取群において「お腹の調子」の値が摂取後に有意に改善していた。これらの改善効果は、前述の腸内環境の改善効果の他に、パイナップルが豊富に含有する食物繊維の便通促進作用による可能性が考えられる。
【結論】4週間のパイナップル継続摂取には、便秘気味な児童に対して、腸内環境と排便状況の改善効果があることが示唆された。
キーワード1 パイナップル
キーワード2 腸内細菌叢
キーワード3 便通