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講演詳細

分類 一般演題
年度 2013
講演日時 2013年5月26日 08:50 - 09:02
会場名 J
発表番号 3J-01a
セッション名 臨床栄養:消化器疾患・肝臓疾患(1)
タイトル マウスへの高脂肪食の長期投与は血便を誘発し,セリシンの摂取で抑制される
Prolonged feeding of a high-fat diet causes bloody stool in mice, but less in mice fed sericin
著者 ○加藤 範久1、大西 奈々恵1、佃 慶子1、吉田 志菜1、Sofya Suidasari1、岡崎 由佳子2、佐々木 真宏3
○Kato Norihisa1, Ohnishi Nanae1, Tsukuda Keiko1, Yoshida Shina1, Sofya Suidasari1, Okazaki Yukako2, Sasaki Masahiro3
所属 1広島大院生物圏科学研究科、2藤女子大学、3セーレン株
要旨 【目的】我々は,高脂肪食(30%牛脂)をマウスに長期間飼育する過程で,血便が誘発され,同時にセリシンを餌に3%添加すると血便の誘発が抑制されることを偶然見出した。絹タンパク質のセリシンは強力な抗酸化作用を有し,消化抵抗性を示すことから,「レジスタントプロテイン」の実験モデルとして研究を行っている(栄養・食糧学会誌 65: 253, 2012)。これまでに、セリシンを餌に添加すると大腸がんの発現抑制や糖代謝や脂質代謝の改善が見られることを明らかにしている(J. Nutr. 141: 1975, 2011)。本研究では,高脂肪食の長期摂取は大腸炎を誘発し,セリシンはそれを抑制しているのではないかと考え検討を加えた。
【方法と結果】ICR雄マウス(5週齢)に牛脂30%の高脂肪食を12週間自由摂取させた。血便は,7週目あたりから観察され,12週ではすべてのマウスの糞便中に血便が見られた。セリシンを高脂肪食に3%添加すると,摂取量や体重増加には影響は見られなかったが,血便は大幅に減少していた。さらに血便である証拠をヘモグロビンの抗体を用いたWestern blot法で示した。大腸粘膜の遺伝子発現をReal-time PCRにより調べたところ,セリシン群でIL-1β,COX-2,iNOS,IL-17A,myeloperoxidaseなどの大腸炎に関連する遺伝子群の発現が顕著に減少していた。盲腸内容物中の有機酸を調べたところセリシン摂取により乳酸濃度の増加が見られた。現在,脂肪摂取量の影響も検討中であり,合わせて報告する。
キーワード1 高脂肪食
キーワード2 セリシン
キーワード3 大腸炎