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講演詳細

分類 一般演題
年度 2022
講演日時 2022年6月11日(土) 09:00-10:48
会場名 F 会場
発表番号 2F-07a
セッション名 消化・吸収(1)
タイトル オレアミドの腸管吸収に対するフラボノイド類の影響
Effects of flavonoids on intestinal absorption of oleamide
著者 ○日浦 伶菜1、小林 恭之1、渡辺 夏美1、室田 佳恵子2、中村 衣里3、松浦 寿喜3、杉本 圭一郎4,5、北風 智也1、原田 直樹1、山地 亮一1,5
○Hiura Reina1, Kobayashi Yasuyuki1, Watanabe Natsumi1, Murota Kaeko2, Nakamura Eri3, Matsuura Toshiki3, Sugimoto Keiichiro4,5, Kitakaze Tomoya1, Harada Naoki1, Yamaji Ryoichi1,5
所属 1大阪公大院・農・生命機能、2島根大・生物資源、3武庫川女子大・食物栄養、4長岡香料、5大阪公大・生資センター
要旨 【目的】Oleamide(cis-9,10-octadecenamide)は脂質メディエーターとして機能する脂肪酸アミドである。マウスにoleamideを経口摂取させると、oleamideは末梢血で検出され、筋萎縮抑制効果を示した1)。しかし、経口摂取したoleamideの腸管での吸収機構は不明である。本研究では、安定同位体標識oleamide(SIL-oleamide)を用いてoleamideの腸管における吸収機構を検討し、さらにoleamideの生体利用率におよぼすフラボノイド類の影響を評価した。
【方法・結果】小腸におけるoleamideの取り込みを評価するため、小腸上皮様モデルCaco-2細胞をSIL-oleamideと培養した。その結果、頂端側のSIL-oleamide量は減少したが、脂肪酸輸送体CD36阻害剤との共培養下ではその減少が抑制された。トランスウェル上でCaco-2細胞をSIL-oleamideと培養したところ、細胞内と基底膜側のSIL-oleamideの総量は頂端側で減少したSIL-oleamide量の約7.0%であった。一方、脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)阻害剤との共培養下では細胞内と基底膜側のSIL-oleamideの総量は約45.0%に増加した。またFAAH阻害剤を投与したマウスにSIL-oleamideを経口投与したところ、SIL-oleamide単独投与に比べて末梢血中でのSIL-oleamide量が増加した。さらにトランスウェル上でCaco-2細胞をSIL-oleamideとフラボノイド類の共存下で培養した。その結果、genistein、daidzein、S-equolとの共存下において、細胞内と基底膜側のSIL-oleamide量が増加した。SIL-oleamideをCaco-2細胞破砕液と反応させたところSIL-oleamide量は低下したが、genistein共存下ではその低下が抑制された。以上より、oleamideはCD36を介して小腸上皮細胞内へと取り込まれた後、細胞内でFAAHにより分解されると示唆された。さらにフラボノイド類がFAAH活性を阻害することによってoleamideの腸管吸収が促進することが示唆された。
1) Kobayashi Y. et al., Br. J. Nutr. (2021) 126, 481-491
キーワード1 オレアミド
キーワード2 フラボノイド
キーワード3 腸管吸収